セミナー/イベント

講演概要
川嶋 太津夫 | Stephanie Oetting | 加藤 直樹 | 照屋 さゆり | 諸星 裕 
川嶋 太津夫(神戸大学 大学教育推進機構教授・国際協力研究科教授)
  川嶋様  

「学習成果を重視した学士課程教育の構築に向けて:「学士力」提案の背景と各大学の改革課題」

   

高等教育のユニバーサル化とグローバル化、さらには知識基盤社会の到来により、各国において高等教育の質保証が大きな政策課題となっている。とりわけ「大学全入」状態に近い我が国では、各大学において、卒業生の質をどのように保証し、向上させていくのかが厳しく問われている。
昨年12月に中教審が出した答申、「学士課程教育の構築に向けて」は、このような状況を受けて、参考指針ながらも、我が国の大学生が卒業時までに獲得すべきラーニング・アウトカムズ(学習成果)として「学士力」を提案した。各大学においては、それぞれの大学の学生に習得を保証するラーニング・アウトカムズを明確に定め、その達成を確かなものとするよう、カリキュラムを体系化し、学生の能動的学習を重視した教授法へと転換し、厳格に学習を評価することが必要である。
今回の講演では、このようなアウトカムを重視した(Outcomes-Based Approach)高等教育改革の国際的動向を概観しつつ、我が国の高等教育政策の方向性と各大学おける具体的な改革課題について論じることとする。

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Stephanie Oetting(University of Saint Francis(米国インディアナ州)Director of Institutional Research Office of Institutional Research and Effectiveness)
  stephanie様   「How the Blackboard Outcomes System Can Help Cultivate a Campus Culture of Assessment」
   

University of Saint Francisにおける大学全体および教育プログラムの評価が、教育の質向上及び組織意思決定において、中心的焦点となっている。様々な評価活動を統合した大学全体の有効性(Institutional Effectiveness)評価プランの構築を通じて、評価活動をより効率的に管理するための戦略が求められてきている。
本講演では、小規模の評価プロジェクトから、全学的にBlackboard Outcomes Systemを利用した評価活動展開までの経験を紹介する。

  • 州政府および連邦政府レベルから求められる学習成果(ラーニングアウトカムズ)評価
  • USFにおけるBlackboard Outcomes System導入前の評価活動
  • Blackboard Outcomes Systemを導入するに至った要因
    - 評価活動の普及に不可欠な組織形態、人員、およびプロセス
    - イニシャルプロジェクトと評価チーム
    - 現在の展開状況
    - 意図する評価結果とレポート生成
    - 評価手段と教員の関わり
    - 導入を通じて経験した教訓


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加藤 直樹(岐阜大学総合情報メディアセンター・カリキュラム開発研究部門)
  加藤 様   「教育経営を支援する情報化モデルの検討」
   

 

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照屋 さゆり(玉川大学 リベラルアーツ学部 准教授 (教務主任代理))
  照屋様   「Blackboardアウトカムズ・システムの可能性-パイロットプログラムの試行から」
   

玉川大学リベラルアーツ学部では、2011年度に向けて、教育課程の見直しを進めている。現在大学に求められる変革として、学士課程として備えるべき力の明確化、学生を中心とした教育プログラム、卒業時の質の保証などがあるが、これらを、客観的に評価するためには、学習成果を可視化していく必要がある。
アウトカムズ・システムの評価手法を軸に、到達目標の明確化、現在の教育プログラムの検証などを行うことで、ラーニングアウトカムズ(学習成果)を可視化する方策を会得できるのではないかと考え、このパイロットプログラムを試行している。これまでの試行状況と、今後の取り組みについて紹介する。

■講演概略

  1. 玉川大学・リベラルアーツ学部の沿革とブラックボード
  2. 玉川大学におけるブラックボードの導入経緯等
  3. アウトカムズシステムの試行
    新教育課程-プランニング行程への参考として
  4. 実施例
    - 玉川大学リベラルアーツ学部人材育成目標の分析
    - ゴールと学士力指標
    - カリキュラムマップによる教育課程の現状分析
    - 評価指標の明確化
    - ルーブリックの活用 (プレゼンテーション等)
  5. 試行から得られるもの
    - FD研修
    - 評価・結果の 標準化・数値化・可視化
    - 今後の取り組みと期待
      人材育成目標を見据えたカリキュラムの構築
      人材育成目標の達成度を見極める標準化された評価指標
      教育活動への取り込み

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諸星 裕(桜美林大学大学院・大学アドミニストレーション研究科教授)
  諸星 様  

「我が国の大学の欠陥」

   

大学のユニバーサル化による競争激化、国際共通性、質保証と、大学は様々な課題に否応なく直面している。
この厳しい競争環境を乗り越えていくには、大学がミッション(役割、使命)を明確に打ち出し、提供する教育とマッチした学生を集め、社会で通用するように育て卒業させるという教学マネージメントの改革が求められるが、日本の多くの大学ではいまだ構造的欠陥を抱えており、改革の舵を取るまでに至っていない。
「ミッションに沿った明確なカリキュラムが体系立てて提供されているか。」「教養教育が重要視されているか。」「成績・GPA管理システムが厳格に運用され、学生の主体的取り組みを促す施策となっているか。」「教員本来の役割が認識されているか。」など、大学が早急に改善すべきことは様々ある。
今回の講演では、アメリカの大学にて教員及び行政管理者として20年以上にわたる経験をふまえ、日本の大学における構造的欠陥を浮き彫りにし、今後大学の改革していくべき方向について論じることとする。

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